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日々肝試し

今公開中のプリンセス・メゾン第32話が突き刺さっている。

やわらかスピリッツ - プリンセスメゾン

自分にしか興味ないということはここ2年ほどで自分についてよくわかったことのひとつ。

たとえばシスターみたいにその身を神に捧げるでもなく…

誰かと愛しあって命を繋げるでもなく、

誰かのために役立つこともないまま生きる人を…

神様は祝福するかしら。

最後の読点がもうほんとに…。疑問じゃなくて、つぶやきというか、祝福されるのかどうなのかを知りたいんじゃなくて、なんとなくそうなる道が自分の行く先にうっすら見えちゃったという吐露。
プリンセスメゾンは沼ちゃんがマンションを買うメインのストーリーも思わず応援してしまうし、持井不動産の営業さんや受付派遣のふたりのストーリーも味わい深いんだけど、他の家を買った女性たちの話を読むと内臓の奥をぎゅっとつねられたような気持になる。ホームパーティーの片づけを終えて寝る前に「私いつ死ねるんだろう」とつぶやいてしまうひととか。でも絶対に湿っぽくならないのはすごい。

 

 

3月。今週で出張先と東京を往復するのも終わり。クライアントとの会食に出たかったんだけど、東京の仕事があるので泣く泣く帰る。来年も来るかは正直わかんないけど、担当の人が(一緒に)飲みたいです〜って言ってくれたのはうれしかった。今まで関わってきた大きい仕事がなくなるのと昇格が重なるので来年度の仕事のことでいろいろと調整が入って先が不透明なせいで、クライアントにまた来年〜とか言えないのは申し訳ない。
さらに部署を異動したらどうかというような話も出てきて話が完全に私のコントロール下から出て行ってしまった。今の所属部署は希望が叶って入ったし、仕事の性質上希望しないかぎりは異動とかもないと思っていた。譲れない希望は言うとして、あとは上に任せるしかない。異動してみるのも面白いかもしれないし、異動先の部署がより合うかもしれないし。2020の転職も考えて転職サイトで適正年収割り出したりしたけど、今のところは今の勤務先が優位だった。つまり今もらいすぎてるってことよね…。
そんな平和な悩みをもてあそんでいたら、同期のひとりが辞めるとの報に驚く。上司とうまくいかないのがしんどかったらしい。上司と関係悪いとしんどいのは実体験あるし(入りたてだったから試用期間明けで辞めようと決意したくらいきつくて、電車で偶然同期に会ったときに泣いた)、転職市況もいいから止める理由がないけど、いて欲しい人ほど辞めていってしまうな。一回飲んでおきたいと思ったけどLINEも返ってこず、これは相当なやられかたをしたんだと悟った。

週半ばに数日ぶりに自分の家にに帰ってきて自分のベッドで寝たら、久しぶりにはっきり覚えている夢を見た。
実在しない勤務先の人のことを好きになり(なぜか喫茶店で仕事をしていて勤務先の備品を持っていることで同じ勤務先だとわかり知り合う)、その人のブログを見つけて交際相手がいることがわかってやっぱりかと思ったところで目が覚めた。誰なんだあれは。誰でもないんだけど。現実では同じ勤務先だとわかったら絶対に話しかけないし、できるだけ早くその場を離れると思うから余計に夢なのが際立つな。ドラマの見すぎ?寝る前に見たのはBONESなんだけど。

週末は少し仕事をして、日曜には院の同期女子たちと会った。会ってない時期もあったけど、実際に会うと仕事の話、家族の話、他にもいろんなことを話せる人ってそういないんだなと思う。特に今は勤務先の人付き合いに疲弊しているから余計にそう思った。

前に買った香水がやっぱりしっくり来なくてフリマアプリに出してみたら売れた。香水はぴんときてないものを買うのはよくない。納得のいく金額で売れたし、定価との差分は勉強代だけど気をつけよう。

出張と東京の仕事が交錯していて、出張先と都内を行ったり来たりしている。出張ではマンションの件をいちばん知られたくないと思っていた勤務先の同期に知られてしまい、案の定「広いところに行ったらもっと寂しくなるよ」だの「一緒に住む人見つけなよ」だの言われてげんなりした。それハラスメントだと思うの。「自分は無理だわー」とか、あなたが無理でも私はいろいろ考えて自分の家を買うって決めて実行しただけだよ、としか思えない。そういうふうに言われるのわかってたから知られたくなかったんだけど、上司が言ってしまった。何を言っても無駄なのはわかってるから「他人と一緒に住むの向いてないんで」と言っておいた。それは本当のことだし。
会いたくない人が複数来る飲み会も断ったし、私の心と勤務先の距離は広がるばかりだ。今後の仕事の感じもまだはっきりしないしこんなままで職階があがってしまうのは不安でしかない。そういうときは仕事以外の人に会ったり、映画を見に行ったり、本を読んだりするに限る。

「ホームレス ニューヨークと寝た男」を見た。

「ホームレス ニューヨークと寝た男」を見た。

 


映画『ホームレス ニューヨークと寝た男』予告編

アーバンキャンピング。引越し業者が希望の日に取れなくて、家具家電を入れる前にスーツケースひとつで今の家に来て1週間寝袋で寝たことはあったけど、さすがに屋外はない。しかも真冬のNYなんて、ここ数年で寒波がきたりしていなかったっけ。しかも主人公のマーク・レイは若者でもなくて50代だし屋上のスペースに入るために柵によじ登るのは見ててそのうち転んで骨折しそうに思えてヒヤヒヤした。マークは魅力的な人だけど、何が本心なのかよくわからない。自分には普通の人が抱えるストレスがないと言ったり、いつも緊張していると言ったり。自らを魅力的に見せることについては長けているしそれが仕事なんだと思うけど、写真も演技もどれもそこまで好きなわけではなさそうに見えた。帰省するバスの中で話していたこと、家族のことを話すときだけは本心を言っているかもと思わせた。モデル業も写真も俳優業も全然ダメではないけどブレイクしたとは言えない自分をマークはあの屋上で見つめ続けたんじゃないか。叶わないアメリカンドリームがどうなるか、それでも生きていかないといけないしんどさが、マークの人柄もあってさらっとしつつも、ひとりで暮らしていくかもしれないと思ってる私には自分の行く先のひとつに思えた。自分が困窮したとき、老いたとき、何をセーフティネットにするか考えないといけないと感じた。